ゆりだなぁ。

主に百合漫画のレビューブログです。

「へんたいよくできました」百合漫画レビュー

※ネタバレが多少ありますのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:雪尾ゆき
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2019年
  • タグ:GL、コメディ、学園モノ

概要

主人公は「熊沢恋子」、憧れの生徒会長「鶴田ひとみ」との妄想をノートに書き綴るのが趣味な変態大変健全な女子高生です。

そんな彼女のトップシークレットな妄想ノートをある日会長の妹である「二花」に見られてしまい、ノートをネタにからかわれるドタバタな日々が始まります。

連載はゆりひめ@ピクシブにて、作者は雪尾ゆき先生で既刊に「瞬きできない」などがあります。pixivで公開されている「女子大生が合コンで お姉さんに持ち帰られる話」も個人的には大好きです。

感想

大ゴマで「リコーダーがなめたいです」と宣う漫画も珍しいなぁ、と。タオルの匂いを嗅いだり、会長のリップに興奮したりと、ありがちなものからマニアックな妄想まで色々あり、うへぇ、となりながらも二花のツッコミのおかげで全体的にコミカルで面白いです。

ツッコミ不在だったらさすがに引くかなぁ、でも全部やってくれても全然構わないですけどね。

変態な先輩を監視するために仕方なく付き合う風をよそおう二花ちゃんがツンデレで可愛いかったです。本作品のヒロインですね。姉のことしか見ようとしない恋子先輩に、人知れず傷ついてしまう所とか、とても胸がキューッとなりました。

ラストの告白シーンなど、テーマとなったノートを活用してコミカルながらキメるところはしっかりキメる、とても読後感が爽やかな作品でした。

とても変態が主人公の漫画とは思えないですね。

ネタバレは控えますが、とりあえず二花ちゃん良かったねと言いたい。個人的にはそれが全てです。まぁ、ツンデレは相変わらずなのでこの先苦労しそうですが。

そんなこんなで、最後までお読みいただきありがとうございました。

「いとしこいし」百合漫画レビュー

※この記事は1巻発売時に作成したものです。ネタバレが多少ありますのでご注意ください。画像クリックでAmazonにとびます。

  • 作者:竹宮ジン
  • 巻数:1巻(2019/02/12現在)
  • 初版:2019年
  • タグ:GL、年の差、JK✕社会人

概要

デザイナーとして在宅でバリバリ働く社会人「安藤弥生」(24)と、主婦力高めなおっとり系の女子高生「牧野雛乃」、付き合い始めて一年足らずの初々しさの残る年の差カップルが本作の主人公。

ゆっくりと、けれども確かに進んでいく二人の恋路をニヤニヤしたりハラハラしたりしながら見守る優しい物語、です。

連載はコミック百合姫にて、作者は「竹宮ジン」先生で、他の作品に「想いの欠片」等があります。

多作な方なので、私が語るまでもないんですけど、個人的には「シーソー×ゲーム」に登場した身長差カップルがとても好きです。背の低いほうがグイグイいく展開って良いですよね。関係ないですね。スミマセン。

感想

ここからは感想です。どうあがいても感想です。

弥生さんの家に、雛ちゃんが来てご飯作るんですよ。通い妻かなっていう。「結婚して」って言われて「はい」って答えるんですよ。第1話で物語終わっちまうじゃねーかっていう。のっけからとても甘かったです。素晴らしいですね。

ただ、こう、バカップルみたいではなく、節度のある感じなんですよね。健全なお付き合い、とても良いと思います。

ハロウィンのときの、お菓子はあげないのでいたずらしてください、とか危険な台詞がちょくちょくあるんですが、弥生さんはよく耐えているなー、と思いながら読んでました。ちなみに私は全然耐えていませんでした。変な声で笑ってました。気持ち悪いですね。

閑話休題

タイトルからして「いとしこいし」なので、何やら心温まる雰囲気漂うんですが、作品の端々からお互いを愛しく大切に思う気持ちが伝わってきてほっこりします。何と言っても、付き合って半年過ぎでようやくキスですからねー。愛されてますねー。穏やかに関係は深まっていきます。

その分色々と破壊力はスゴイんですけど。

ただ、それでもすれ違ってしまうのがままならないなー、と。自分の良い所に気が付かないで、年上にばかり憧れてコンプレックスを抱いてしまうのは、もはや年の差カップルにおける年下の、宿命な気がします。弥生さんもっと頑張ってください。家に美人の編集さんなんか呼んだら、ねぇ。ダメですね。

とはいえ、雛ちゃんも自分がいなかったら彼女が死んでいたという事実にもう少し自信を持っても良い、気がする。

あー、もどかしいなー。まぁ、何だかんだ総じて最後は胃に優しい展開だったので私としてはとても心安らぎました。2巻もこんな感じだと嬉しいなー。

疲れているときに書くと、文調がおかしくなりますね。乱文お許しください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

百合漫画(短編集)一覧表

別ページの百合作品一覧表から、容量の都合で百合漫画の短編・中編集だけ移動させることにしました。

何となくこちらは作者名別に50音順で並べています。

割と独断と偏見で選んでいますので正確性に関してはお察しください。未読の作品もあるため、特に短期連載作品やオムニバス形式のものの扱いがあやふやです。

レビュー記事へのリンクを作成次第貼っていきます。不定期更新予定です。

なお、画像は全てAmazonの商品ページに掲載されていた画像を引用させていただきました。

あ行

プリンセス・プリンセス・青木光恵

ナチュリーズ・あおと響

妹ができました・芥文絵

恋は秘かに実らせるもの・あさぎ龍

終電にはかえします・雨隠ギド

初恋構造式・天野しゅにんた

さようならむつきちゃん・磯谷友紀

合法百合夫婦本・伊藤ハチ

チヨちゃんの嫁入り・伊藤ハチ

イノセントノイズ・井村瑛

最低女神・井村瑛

ツミキズム・井村瑛

透明な薄い水色に・岩見樹代子

二輪乃花・宇河弘樹

ひみつ。・大朋めがね

ふたり・大朋めがね

月と泥・大北紘子

裸足のキメラ・大北紘子

彼女×彼女・大沢あまね

屋上ぴかぴかロマンス・大沢やよい

スパイスガールズ・大沢やよい

ブラックヤギーと劇薬まどれーぬ・大沢やよい

かわいいあなた・乙ひより

クローバー・乙ひより

か行

星をふたりで・カザマアヤミ

×××したいくらい可愛い君が・春日沙生

名前はまだない・かずまこを

明日の君に花束を・片倉アコ

シュガールーム・鹿嵐

ワンナイトフレンド・かやこ

サイダーと泣き虫。・缶乃

龍崎さんと虎生さん・くずしろ

ゆりぐらし・くるくる姫

茜色コンフィチュール・黒霧操

マテリアルキャンディ・黒霧操

水色エーテル・黒霧操

好きなのは女の子・北尾タキ

それでもやっぱり恋をする。・倉田嘘

リンケージ・倉田嘘

明日また君の家へ・くろば・U

コキュートス・コダマナオコ

残光ノイズ・コダマナオコ

恋に煩い・後藤 悠希

女の子の設計図・紺野 キタ

さ行

パイをあげましょ、あなたにパイをね・さかもと麻乃

放課後カノン・三国ハヂメ

君だけが光・シギサワカヤ

ゆめよりすてきな・縞野やえ

ミズイロ、ソライロ・慎結

た行

乙女ケーキ・タカハシマコ

スズラン手帖・タカハシマコ

君に好きっていわせたい・竹嶋えく

game・竹宮ジン

Seasons・竹宮ジン

steps・竹宮ジン

キラキラ・竹宮ジン

恋のカオリ・竹宮ジン

シーソー×ゲーム・竹宮ジン

喋喋喃喃・竹宮ジン

マイ・ファーストレディ・竹宮ジン

まぶしさの向こう側・竹宮ジン

恋愛ログ・竹宮ジン

ラブフリッカー・竹宮ジン

メッてされてキャッ・田仲みのる

今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい・ちさこ

ダークチェリーと少女A・ちさこ

わがままミルフィーユ・ちさこ

こいごころ・月石

指先から滑り落ちるバレッタ・つつい

終電で帰さない、たった1つの方法・トクヲツム

な行

イヴとイブ・長代ルージュ

吾妻さんと板倉先輩恋をする。・中村 ユキチ

ひみつ、ひとつ・仲原椿

BUTTERFLY 69・夏猫

ふあふわ白書・ナナセミオリ、 コキリン

ゆりゆり・なもり

Sweet Little Devil・南崎いく

課金済ガールフレンド・沼地どろまる

カワイイとサヨナラ・ねが

ときめく、はじめての。・野中友

ハミングガール・野中友

は行

百合ごよみ・はちこ

百合百景・はちこ

この願いが叶うなら・袴田めら

夜空の王子と朝焼けの姫・袴田めら

コンチェルト・はっとりみつる

CottonCandy・浜野りんご

突然の百合・東河みそ

理想と恋・日野雄飛

さくら文通・ヒマワリソウヤ

スターライトメロディ・蕗

秘密のカケラ・藤沢誠

この世にただひとり・藤たまき

ナイフエッジガール・古街キッカ

ま行

ななゆり・マウンテンプクイチ

ぷくゆり・マウンテンプクイチ

Girl @ Girl・まに

きらぼしのはこ・真昼てく

この靴しりませんか?・水谷フーカ

ゆりどりみどり・源久也

キミイロ少女・未幡

少女²・未幡

コイゴコロクリップ・みもと

これでわかってよ!・みもと

ゆたさんはままならない!・みもと

未完の恋・宮内由香

女の子のいちばんやわらかいところ。・宮田ワルツ

絶対×浪漫・むっちりむうにい

かわいさ余って好きさ100倍!!・めの

出会い系サイトで妹と出会う話・もちオーレ

出会い系サイトで妹と出会う話-333日目-・もちオーレ

レンタルショップでお姉さんをレンタルする話・もちオーレ

茜色のキスは屋上で・百乃モト

トゥルー・トゥルー・百乃モト

レイニーソング・百乃モト

女の子合わせ・森島明子

初めて、彼女と。・森島明子

楽園の条件・森島明子

瑠璃色の夢・森島明子

レンアイ♥女子ファイル・森島明子

くちびるためいきさくらいろ・森永みるく

や行

二人のアルカディア・やとさきはる

瞬きできない・雪尾ゆき

おねだりしてみて・雪子

熱帯少女・吉富昭仁

スリーピングビューティーの見た夢・四ツ原フリコ

ライカ、パブロフ、ポチハチ公・四ツ原フリコ

ら行

にじいろシークレット・楽時たらひ

くちびるに透けたオレンジ・ロクロイチ

参考にさせていただきました

「今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい 」百合漫画レビュー

※ネタバレが多少ありますのでご注意下さい。

  • 作者:ちさこ
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2019年
  • 分類:GL、短編集

「ちさこ」先生作の百合短編集「今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい 」のレビューもとい感想です。

ちさこ先生と言えば「北陸とらいあんぐる」の作者様ですね。百合姫で短編を描かれていた頃が何だか懐かしいです。

さて、短編集なので各話について簡単に振り返っていきます。女の子が可愛い一冊でした。可愛い一冊でした。大事なことなので(ry

今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい

今どきの女子高生が可愛すぎてつらい。兄の娘を預かることになった社会人の叔母と女子高生の姪の物語。

素っ気ない態度をとる姪に叔母は嫌われているのではないかと不安になりますが、その実叔母が大好き過ぎて、ぎこちなくなっているだけという話。可愛すぎか。

素面の叔母にも酔っ払った叔母にも振り回されてしまう姪がとても可愛い。小さい頃は大きくなったら結婚するって言ってたみたいですね。大きくなったから結婚すれば良いと思います。

私が会社を辞めようと思ったときの話

社内懇親会で余興としてアイドル衣装で歌とダンスを披露するように、と後輩(22歳)と一緒に無茶ぶりされたアラサー社会人の百合短編。

ハラスメントかな?なんて感じる事案ですが、転職を画策する彼女はこれが最後とばかりに後輩と真面目に練習に取り組みます。

若さ溢れる後輩に若干卑屈になってしまう先輩が申し訳ないんですが、コミカルで面白かったです。口下手なだけで内心では先輩のことが大好きな後輩にも萌えました。ジェネレーションギャップも良いですね。

私が会社を辞めたときの話

ハローワークに行って「私!働きたくないです…!」と宣う元新社会人「河原茉夏」が主人公。どうにも現実逃避の感が抜けない彼女でしたが、周りの友人の社会人として頑張る姿や、ハロワのお姉さんの言葉に励まされながら自分を見つめ直し立ち直っていきます。

ハロワのお姉さんが優しい。茉夏の涙を真っ直ぐに受け止める所が素敵でした。アレは惚れますねー。仕方ないと思います。

私が会社を○○シリーズの登場人物が飲み会に集結しているのが面白かったです。仲良しの先輩と旅行に行くみたいですね。良いと思います。

私が会社を爆破しようとしたときの話

ブラック企業に入社してしまい、会社を爆破すれば仕事を休めるのでは?と考えるに至る社会人が主人公の、現代日本の闇を映した社会派百合短編(嘘です)。

部長に有給を認めさせ、ずっと追いかけてきたアイドルの卒業ライブに行くべく期日前に完璧に仕事を仕上げようと奮闘します。

主人公はもちろんそうなんですが、部長も人知れず頑張っていたんだろうなと考えると何だか胸が熱い。仕事の鬼の部長のギャップに悶えました。

おとなになればわかる

昔からの友人二人の飲み会の話。タイトルの意味は読むと分かります。

報われない片想いはやっぱり切ないですね。体を壊しそうな飲み方で痛々しかったです。

ヴァージン・ロード

こちらも昔からの友人二人の物語。

やはり報われない片想いの百合でしたが、割り切って一緒にいる道を探す辺り前向き、なのでしょうか。

せめてママ友として、望むように傍にいられると良いのですが。

北陸新幹線の話ーかがやきまっしー

北陸新幹線開通記念に描かれた短編、だそうです。とある義理の姉妹の物語。高校時代に遠い未来のこととして語っていた新幹線に乗って、二人は久しぶりに再会します。

北陸新幹線がこんなに尊い題材だったなんて。知らなかった…。あと、方言が可愛かったです。抗えない魅力がありました。「まっし」ってクセになりそう。


振り返ってみて、やっぱり絵が好きだなーって思います。可愛いとしか表現できないボキャブラリーの無さが虚しい。

何はともあれ最後までお読みいただきありがとうございました。

「きみが死ぬまで恋をしたい」百合漫画レビュー

※この記事は1巻発売時に作成したものです。また、多少のネタバレがあります。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:あおのなち
  • 巻数:3巻(2020年2月現在)
  • 初版:2019年
  • 分類:GL、ファンタジー、戦争

概要

舞台は魔法世界のとある国の孤児院。戦争状態にあるこの国で、身寄りのない子どもたちの世話を引き受ける代わりに、戦争の為の魔法を教え兵器として育て上げている、中々に闇の深い施設です。

そんな場所で暮らす少女「トツキ・シーナ」が物語の主人公。周りの皆が自分の境遇を受け入れ、死というものに慣れていく中で、独り戦争を嫌い級友の死を悼む優しい心の持ち主です。

周囲との間に壁を感じる彼女の生活は、ある日出会ったあどけない女の子「カガリ・ミミ」に懐かれたことで少しずつ変わり始めます。学校の秘密兵器と呼ばれる不死身の少女との出会いによって。

連載はコミック百合姫にて、作者は「あおのなち」先生で他に「あの子に優しい世界がいい」などがあります。

感想

ただの感想です。考察ではなく感想です。

ダークなファンタジー作品ですね。戦争が題材ですが今のところは直接の描写がなく、却って真綿で首を締められるような重苦しい雰囲気があります。2巻以降は、この辺りがもう少しはっきりしてくるのかも知れませんが。

ただ、重苦しい雰囲気に反してというか、だからこそというかシーナの優しさとミミの無邪気な性格に胸を締め付けられます。特にミミは戦場で人を何人も殺しているとは思えない程に幼い純真さを残していて、そもそもの常識が狂っているんだなー、と。彼女にとっては人殺しは当たり前で、心を乱すようなことでは無いんだろうな、と。

シーナもその辺りの不気味さは感じているんですけど、目の前の少女の無垢な様子に調子を狂わされているようで、そういうところを見ているとやっぱり良い子なんだなーと思います。戦争行かないでほしいなー。

今後二人の関係はどうなるんでしょうね。今のところはむしろ母親と子どものような印象を受けるのですが。怪我を治した所も含めてミミは純粋にシーナの喜ぶことをしてあげたいみたいですね。それにしても、怪我を治す方法がキスなのは驚きました。百合好きとしては全然構わないですけど。むしろ怪我して無くてもすれば良いと思いますが。最初みたいに。

腕治るの嬉しい?というミミの問いかけは彼女が死なないことに関係していそう。肉片になっても生還できてしまう彼女の目に映る世界は常人とは異なっていそうです。

タイトルと併せて考えてしまうと、どうもミミが死んでしまいそうでちょっと不安なんですよねー。

1巻ではあまり重要な役回りの無かった、シーナの友人「セイラン」と「アリ」の今後も気になるなー。戦争で百合ップルの仲が引き裂かれるようなことが無いと良いんですけど。

ダラダラと書き連ねてしまいましたが、流血表現が苦手な方でなければオススメです。最後までお読みいただきありがとうございました。

「Girl @ Girl」百合漫画レビュー

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  • 作者:まに
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2014年
  • 分類:GL、短編集

「まに」先生作の百合漫画「Girl @ Girl」のレビューもとい感想です。読んでいると何だか心がふにゃふにゃしてくる可愛さたっぷりの一冊です。

同作者様の他の作品では「安達としまむら」のコミカライズ版が記憶に新しいですね。3巻で終わってしまったのが残念でならないです。再開しないかなー。

さて、短編集ですので各話について簡単に振り返ってみます。

この中に一人残念な子がいます!

夏休みの補修に集まった、ゆき、ひなた、りこ、仲良し三人組の日常の一コマ。ゆきは飄々として少しチャラいタイプ、りこはツンデレ気味で真面目な性格という感じ。

正反対な二人が曲がりなりにも仲良く過ごせるのは、とりもなおさず天真爛漫なひなたのおかげです。

ひなたが可愛い。「三人でお祭り行くんだもん」って頑張る所が何とも。ゆきも、りこも、ひなたのことが大好きなので、当分告白はできそうにないかなぁ。ひなたは三人一緒が良いって言いそうだなぁ。

恋に✕✕は関係ないよね!

一人っ子のかえでの隣に引っ越してきたのは、少し生意気な幼稚園児のしおり。仕事で忙しいしおりの母親の代わりに幼稚園の送り迎えをしたことをきっかけに、二人の間には絆が生まれます。

そんなある日、しおりはかえでが自分の知らない友だちと仲良くしているところを見てしまい⋯⋯。

圧倒的おねロリ。手の大きさも背も違いすぎて、繋いで歩こうとすると指を握る感じになっちゃうんですね。スゴイ尊いですね。幼い心に芽生えた嫉妬の心を優しく受け止めるかえでが素敵でした。

いつでも君はそこにいた

女子高生のちよりは卒業を前に、大好きな先輩から告白されます。返事のできないまま先輩に遊びに誘われたちよりは、階段で転んで先輩にぶつかってしまい、気がつくと何故か先輩は男の子の姿に変わっていて⋯⋯。

SF(すこしふしぎ)な短編でした。男だったら付き合ったのかな、なんて仮定に向き合うことになる物語。先輩は一体何者なんだ。

人は見かけじゃないとかそういう問題ではなくて、やっぱり好きな人を形作る外見含めて好きなんですよね。あなただから好きなんだって真っ直ぐな気持ちが綺麗だなーって思います。

恋に変タイはつきものです

お屋敷のお嬢様「もみじ」と彼女のことが大好きなメイド「ハマチ」の物語。料理を作ってほしいとせがむお嬢様のために、苦手な料理を練習するべく厨房にこもるハマチでしたが、会える時間が少なくなったことにもみじは寂しさを募らせます。

おねロリそして主従百合。可愛いです。無邪気に手料理をリクエストするお嬢様も、他のことは完璧なのに料理だけポンコツなハマチも。

ハマチの暴走気味の愛を受け止めてしまうもみじの度量が大きいですね。攻められるとあたふたしてしまうメイドさんって良いですね。

笑顔の仮面を数えよう

いつも笑顔なクラスメイトの「佐々波さん」の泣いた顔が見たい、そんな薄暗い欲求のもと「蒼戸」は佐々波に告白し、付き合うことになります。偽りの恋人として過ごす中で、蒼戸は今まで忌み嫌っていた笑顔の裏に隠れた佐々波の優しさを知り、頑なだった心は少しずつほぐれ始めます。

佐々波さんが良い人過ぎて辛い。蒼戸さんの告白の動機がどうにも気に入らなくて、正直認めがたいものがあったんですけど、ラストの佐々波さんのために知らず涙を流してしまうシーンでまぁ良いかなって、思いました。ベタ惚れなら何も言うまい。

そもそも佐々波さんがいつも笑顔って見てないと気づけないですし。最初から好きだったんだなーって。


上には含めていませんが、純真無垢な少女の勘違いが見ていて楽しい「friendship+@」、すれ違う三者の気持ちをコミカルに描いた「あなたはいつ勘違いに気づくのです?」もとってもキュートです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

「チヨちゃんの嫁入り」百合漫画レビュー

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  • 作者:伊藤ハチ
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2016年
  • 分類:GL、短編集、主従、おねロリ

「伊藤ハチ」先生作の百合漫画「チヨちゃんの嫁入り」のレビューもとい感想です。ネタバレ多少ありますのでご注意ください。

さて、こちらの単行本は同人誌として発表されていた作品がまとめられた短編集で、おねロリが多めです。ハチ先生流石です。

短編集ですのでそれぞれについて簡単に振り返っていきます。

主従百合本

不器用で真面目な召使いの「リツ」と、彼女が仕える病弱なお嬢様との主従百合物語。屋敷から出ることもできないまま、少しずつ病気で弱っていくお嬢様の願いを叶えるためリツは恋人になることを決意します。

どこまでも不器用なリツがとても可愛かったです。お嬢様が健康で普通の生活をしていたらずっと自分の気持ちは伏せていたんじゃないなぁ、と。

自分たちの関係をずっと偽りのものだと考えていた辺りも真面目な性格がよく表れてました。。傍から見ているとどうみても相思相愛なんですが。原因不明の病も恋の力には勝てませんね。良かった良かった。

春に降る雪

頭に獣の耳を持つ人々の世界の話。山奥の雪で閉ざされた村の外れで孤独に暮らす一人の少女「シロ」は獣耳が無いこと、特殊な力を持つことを理由に村人から忌み嫌われていました。そんな彼女の生活が、ある日村にやって来た研究者を名乗る女性との出会いにより変化していきます。

シロが虐められてるのが単純に辛かった。珍しいお菓子に喜んだり、風の音に怯えたり、年相応の反応がとても愛らしいだけに、普通の生活を望む姿が痛々しかったです。

拒絶するシロの心を少しずつ溶かし、シロの力を恐れることなくその手を取りに行く研究者のお姉さんが、とてもカッコいい短編でした。二人で幸せに暮らしてほしいです。

チヨちゃんの嫁入り・後日談

表題作の短編。十と五歳離れた歳上の優しいお隣さんこと「千ちゃん」に憧れる「チヨちゃん」の物語。家族のようなつながりを抱くチヨちゃんの心は、千ちゃんのお見合い話により大きく揺れ動きます。

早くに両親を亡くしてしまった千ちゃんを、小さなチヨちゃんが子どもなりに一生懸命励まし寄り添おうとするんですよ。可愛すぎか。

家族になってあげる、なんて言ってしまうチヨちゃんですがその気持ちが恋であることに気づいていないんですよね。そんなチヨちゃんをそっと見守る千ちゃんはどんな想いだったのだろうかと。

ラストの手紙に込められた秘めた感情が素敵でした。おねロリ、尊い。


同人誌はどうしても買いにくい所があるので、こうした形で再出版していただけるのはありがたいですね。親公認のロリとの婚約というのも珍しい気がします。

最後までお読みいただきありがとうございました。