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「きみが死ぬまで恋をしたい」百合漫画レビュー

※この記事は1巻発売時に作成したものです。また、多少のネタバレがあります。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:あおのなち
  • 巻数:3巻(2020年2月現在)
  • 初版:2019年
  • 分類:GL、ファンタジー、戦争

概要

舞台は魔法世界のとある国の孤児院。戦争状態にあるこの国で、身寄りのない子どもたちの世話を引き受ける代わりに、戦争の為の魔法を教え兵器として育て上げている、中々に闇の深い施設です。

そんな場所で暮らす少女「トツキ・シーナ」が物語の主人公。周りの皆が自分の境遇を受け入れ、死というものに慣れていく中で、独り戦争を嫌い級友の死を悼む優しい心の持ち主です。

周囲との間に壁を感じる彼女の生活は、ある日出会ったあどけない女の子「カガリ・ミミ」に懐かれたことで少しずつ変わり始めます。学校の秘密兵器と呼ばれる不死身の少女との出会いによって。

連載はコミック百合姫にて、作者は「あおのなち」先生で他に「あの子に優しい世界がいい」などがあります。

感想

ただの感想です。考察ではなく感想です。

ダークなファンタジー作品ですね。戦争が題材ですが今のところは直接の描写がなく、却って真綿で首を締められるような重苦しい雰囲気があります。2巻以降は、この辺りがもう少しはっきりしてくるのかも知れませんが。

ただ、重苦しい雰囲気に反してというか、だからこそというかシーナの優しさとミミの無邪気な性格に胸を締め付けられます。特にミミは戦場で人を何人も殺しているとは思えない程に幼い純真さを残していて、そもそもの常識が狂っているんだなー、と。彼女にとっては人殺しは当たり前で、心を乱すようなことでは無いんだろうな、と。

シーナもその辺りの不気味さは感じているんですけど、目の前の少女の無垢な様子に調子を狂わされているようで、そういうところを見ているとやっぱり良い子なんだなーと思います。戦争行かないでほしいなー。

今後二人の関係はどうなるんでしょうね。今のところはむしろ母親と子どものような印象を受けるのですが。怪我を治した所も含めてミミは純粋にシーナの喜ぶことをしてあげたいみたいですね。それにしても、怪我を治す方法がキスなのは驚きました。百合好きとしては全然構わないですけど。むしろ怪我して無くてもすれば良いと思いますが。最初みたいに。

腕治るの嬉しい?というミミの問いかけは彼女が死なないことに関係していそう。肉片になっても生還できてしまう彼女の目に映る世界は常人とは異なっていそうです。

タイトルと併せて考えてしまうと、どうもミミが死んでしまいそうでちょっと不安なんですよねー。

1巻ではあまり重要な役回りの無かった、シーナの友人「セイラン」と「アリ」の今後も気になるなー。戦争で百合ップルの仲が引き裂かれるようなことが無いと良いんですけど。

ダラダラと書き連ねてしまいましたが、流血表現が苦手な方でなければオススメです。最後までお読みいただきありがとうございました。