ゆりだなぁ。

主に百合漫画のレビューブログです。

「不自由セカイ」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:コダマナオコ
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2012年
  • タグ:GL、大学生、シリアス

自分をいじめから救ってくれた同性の先輩・礼央を慕う可憐な少女・茗子。いつしかその想いは強い独占欲に変質していく。自分の感情に戸惑いながらも日々を過ごしていたそんなある日、茗子は暴漢に犯されてしまう。彼女を守れなかったことに責任を感じる礼央。その罪悪感を利用して、茗子は礼央を束縛し始める。周囲からすれば異常な関係。しかしそんな茗子を見て、礼央は誓う。“奴隷になる”ことを。彼女のいつ癒えるともしれない傷を自分の痛みとして。オール描き下ろしで贈る、少女二人の恋の限界を探る愛憎劇。

感想

高校時代に起きた事件をきっかけに、関係が変わってしまった二人が痛みを抱えたまま一歩を踏み出す物語。イケメンと奔放な可愛さのある女の子の組み合わせは率直に言って好み。シリアスものってあんまりカップリングでわーきゃー言い辛い気がするとはいえ。

贖罪のために茗子の側にいる礼央と、礼央への憧憬を持て余したまま罪悪感を利用して束縛し続ける茗子、過去に囚われたままどこにも行けずに留まり続ける日々の先に幸せがあるとは思えなくて、二人ともそれを自覚してもいるのだけど、壊れてしまったものは元には戻らなくて、それがどうしようもなく苦しい。

ストーリーの方は主に礼央の同級生の高瀬さんによって進められていきます。さっぱりした美人って感じのキャラなんですけど、役割が不憫ですね。あと、黒髪は様式美。

重めの作品ですけど、その分ラストシーンは好きですね。時間をかけたからたどり着けた結論ということなのかなぁ。ネタバレになっちゃうので書けませんが、読後感は良いです。

重めの百合が大丈夫ならとりあえず読んでみてはいかがでしょうか。

最後までご覧頂きありがとうございました。

「百合SMでふたりの気持ちはつながりますか?」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:みら
  • 巻数:1巻(2021年2月現在)
  • 初版:2021年
  • タグ:GL、SM、学園モノ、幼なじみ

一つ年下の幼馴染、更紗の家に少しの間暮らすことになった澪。その初日、リビングの扉を開けた澪が目にしたのは…。ハードで甘い、痛くて切ない、新たな扉が今開く。

概要

SMの関係による繋がりを題材にした百合漫画。妖しいタイトルと思いきや、満たされない心の隙間を埋めようとする少女たちの心の機微を描いた純愛作品。

密かに恋心を抱く澪を自分のものにしたいと願うと同時に昏い欲望に戸惑う更紗の葛藤が切なくもキュンとします。知らなかった更紗の一面に戸惑いながらも、秘密の関係で深まっていく二人の絆を受け入れ始める澪も、危うい感じがしてとても良い。

感想としては、新たな扉が開かれた感じで非常に新鮮。紡がれる関係性は美しいのに、何か脆い印象。今後どう着地するんだろうか。 M気質な妹も姉の事大好きっぽいけれど今後ふたりに関わってくるんだろうか。そちらも気になる。

いつにもましてグダグダな感想になってしまいましたが、葛藤のある百合が好きな方は間違いなく楽しめると思いますので是非是非。

あと蛇足ですが、みら先生なので絵がそこはかとなく艶やかですね。間違いない。

「晴れの国のあっぱれ団」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:竹嶋えく
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2017年
  • タグ:高校、日常系、ローカル

岡山に引っ越してきた桃崎小春が出会ったのは、桃太郎のお供を名乗る「あっぱれ団」の3人組!? 名前に‘桃’が入っているということと、きびだんごを持っていたという理由で、桃太郎認定されてしまった小春。「あっぱれ団」のみんなと岡山の平和を守るため、遊園地に行ったり、お祭りに参加したり、大忙し。…って遊んでるだけじゃん!! 岡山ネタ満載のまったりライフ、はじまります♪

概要

「ささやくように恋を唄う」の竹嶋先生の単行本デビュー作。内容としては日常系のゆるっとした雰囲気に岡山のローカルネタをプラスした感じ。岡山ローカルなのは出身地だからだそう。

後楽園のライトアップとか、鷲羽山のブラジリアンパークとか、桃太郎まつりとか岡山に少し詳しくなれます。ただ、個人的には方言が大変可愛い、そちらの方が重要な気がする。岡山弁? を話す日向子(ロリ枠)が可愛いのですよね。とても。

百合姫連載だからという訳でも無いのでしょうが、百合に関しては濃いめ。将来を誓い合った幼なじみとかね。

転校生の小春に日向子が惹かれていくのが物語の主軸かなぁ。初々しくて直向きな感じが、清いです。

1巻きで終わりなのがややもどかしいですが、可愛さ120%な内容ですので、癒やされたい方はどうでしょうか。

全然関係無いのですが、推し武道の平尾先生も岡山出身なんですよね。岡山は百合好きにはホットな地なのかもしれない。

「吸血鬼と呼ばれたい!」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:ぴゃあ
  • 巻数:1巻(2021年2月現在)
  • 初版:2021年
  • タグ:吸血鬼、ファンタジー、学園もの、幼なじみ

ヴラド学園――そこは吸血鬼の少女たちが過ごす秘密の学園。
あおいは、幼馴染のユウナと同じ学校に編入することに。 しかし、入学早々あおいが目にしたのは……血の祝杯を美味しそうに飲む少女たち。 人間のあおいが、吸血鬼の学校にいるとバレたら大変!! でも、そんなことは気にぜず、友達もライバルも作っちゃうよ!
可憐な吸血鬼たちと人間の少女が織りなす、可愛くてすこし不思議なほのぼの日常学園ライフ!

感想

吸血鬼の学園というコンセプトもありカップリングは豊富。学園の王子様とか、高潔なお嬢様キャラとかベタなのも多め。ただ、奇跡的に皆可愛い。掘り下げがどこまでできるかは分からないけれどサブキャラの話も読んでみたい。厨二病の娘とか。

物語の方は人間のあおいが幼なじみのユウナを追って、それとは知らずに吸血鬼の通うヴラド学園に編入するところから始まります。グラスに注がれた人血とか、人間学の授業とか、動物を使役する同好会とかファンタジーなネタは多めで楽しい。

百合的な見方をすれば、吸血対象としてあおいを傷つける事を恐れるユウナの葛藤が切なくて、読んでいて心が苦しい。彼女の事をひたむきに信じ続け寄り添うあおいの姿にも救われます。吸血鬼も、幼なじみも百合の要素として好きすぎて何かもう辛い。良い…。

彼女に守られていた事を知ったあおいが今後どう行動していくかが物語の主軸かなぁ。吸血鬼の学園に人間一人という危うい状況でどう立ち回っていくのか見所。天真爛漫だけど芯の強い所、応援したくなります。

好きな作品なので続くと良いなぁ。

何はともあれお読み頂きありがとうございました。

「君と綴るうたかた」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:ゆあま
  • 巻数:1巻(2021年2月現在)
  • 初版:2021年
  • タグ:GL、高校

人との接点を避けて生きている 女子高生・星川雫は、 誰にも見せずに執筆していた小説をクラスメイトの 朝香夏織に見られてしまう。 作品を嘲笑されると怯える雫だったが、 小説を読んだ夏織からは 全く予想していない感想が飛び出してきて…。

物語を通してつながる少女二人の、 甘く切ないひと夏だけの恋人ごっこ

感想

前作から大分雰囲気が変わったなぁという印象はありつつも登場人物は相変わらず魅力的で、予想もしない行動で星川さんを驚かせながらも人好きのする感じを崩さない朝香さんは可愛いし、戸惑いつつも朝香さんと過ごす夏休みを楽しむ星川さんもとても可愛い。

ただ、どこか切ない雰囲気が漂うのは、時折挟まれる二人の影のような描写のためか。 なぞらえるなら夏の終わりのような寂しさ。

自分を許すことは他人を許すことよりもはるかに難しくて、本作の主人公の星川も恐らくそのためにずっと苦しんでいる人なんだろうなぁ、と。 1巻のラストで明かされる星川が人を遠ざけていた理由が、物語の主軸のよう。

気にしなくて良いよなんて都合の良い言葉をかけてくれる他人は探せば見つかるのだろうけど、それが自分の言葉になるのは難しくて、いつのまにか壁の内側に来ていた朝香夏織という存在が、過去と向き合うきっかけになれるのか、そして、恐らく同じく傷を抱えているであろう彼女に星川が寄り添えるのか、今後が気になるところ。

描かれるのは恋人と呼ぶには微笑ましい光景なのだけれど、何だか無性に危うくて胸がキュッとなる。絶妙な塩梅で成立している作品な気がします。

とにもかくにも、2巻が待ち遠しい。

「PON PON PON!」百合漫画レビュー

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:emily
  • 巻数:全1巻
  • 初版:2020年
  • タグ:GL、高校、日常系、メイク

メイク、ファッション、友達、恋愛、
全部
私だけを見て。

イマドキ女子高生のヒミツの日常――。

感想

放課後に教室でこっそりメイクを楽しむ女子高生「アンナ」と「みゆ」、それを見守る友達「まな」、そんな3人の日常系百合漫画。

何というか雰囲気が全体的にエロい艶やか。

アンナに密かに片想いを続けるまなは、メイクが見せるアンナの色々な一面にドギマギ。唇とかえっちぃ(二回目)。

思わず抱きしめてしまったり、キスしてしまったり、感情を持て余し気味。そして、それを幸せそうに受け止めるアンナ。

限りなく恋人に近い感じの二人のイチャイチャがとても甘くて、読んでいると溶けそうになります。友達って何だっけ。

でも、まぁ踏み出せない最後の一歩がもどかしくも甘酸っぱくてキュンとする、そう言うものですよね。

最後は更に甘々。メイクもファッションも頑張るのは大切な人に可愛いって言われたいっていう乙女心。友達のみゆからも「あんたたち付き合ってるの?」って聞かれてしまう二人の関係が少し変わるエンド。

叶うなら、その先ももっと見ていたかった。

1巻で終わりのようなので、手軽に読めますので是非是非。 最後までご覧いただきありがとうございました。

「百合オタに百合はご法度です!?」メタ百合と見せかけた王道百合

※ネタバレあるかもしれないのでご注意ください。画像クリックでAmazonへ飛びます。

  • 作者:U-temo
  • 巻数:1巻(2021年1月現在)
  • 初版:2020年
  • タグ:女子校、コメディ、メタ、ギャル×地味子

百合オタの私は、尊い関係を見守りたいだけなの…に!? 百合オタ女子・渡辺が女子校で出会ったのは、百合の世界観をぶち壊すオタクの天敵ギャル・吉岡だった――。新感覚★メタ百合・ラブ(?)コメディ‼

感想

お嬢様学校百合あるあるを愛でる一般人の百合好き(自称)の百合を愛でる漫画。

上級生をお姉様と慕う後輩、女子校の王子様、人気者になってしまった幼なじみを陰から見つめる幼なじみ等々、有名な百合作品を開いたら出てきそうな鉄板の百合ネタが散りばめられていて楽しいというのはもちろんなのだけど、それに出会うたびに全力で一喜一憂するヒロインの「渡辺」が大変愛くるしいのです。共感できるような引いてしまうような絶妙なラインの傾倒っぷりが面白い。まぁ、私は相合い傘が見られなくてもガチ泣きしたりはしないけれど。

ピアノの連弾とか、薔薇の温室とか、あーあれのことかなぁと頭に思い浮かぶ作品があるとより楽しめるかと。

あるあるネタと並行して、同じく外部入学組のギャル「吉岡」と「渡辺」の百合模様も見逃せない。渡辺さんはお嬢様学校の雰囲気がギャルによって乱されるのを阻止しているだけなのだけれど、必然的に吉岡さんと過ごす時間が増えていってしまうんですよねー。何だかんだ仲良くなっているし、ニヤニヤが止まりませんね。ギャル×地味子も王道だし、文化祭の後のフォークダンスも鉄板だし、あるあるネタ漫画の主人公が身を以て百合を体現していくのは大変良いと思います。

お互いが少しずつ意識しだした所で1巻は幕引きとなったので今後も期待したい。全体的にコミカルで軽めに読めるので興味があれば是非是非。

最後までお読み頂きありがとうございました。